気まぐれダイアリー

奥の深い楽譜の話

生徒さんのコンサートが終わり早くも1ヶ月
何ヶ月も弾いてきた曲に一区切りをつけ
次の曲を決めて、楽譜を用意し、譜読みを始め~というこの時期は
なんとなく ウキウキわくわく しませんか?

曲が決まると、
「どこの出版社の楽譜を買ったらいいでしょうか?」
という問い合わせを多くいただくようになります。

作曲者によっては、同じ曲でもいろいろなバージョンが出版されていて
フレーズやアクセント、強弱などこまかいニュアンスや
ぺダリングが違っていたりするので
楽譜屋さんであれこれ見比べ迷ってしまった経験があると思います。

どの楽譜を使うかによって
極端な話、出来上がりの印象が全然違ってくることもあるので
確かに楽譜選びは大切です

クラシック音楽と言えども、常に研究が続けられ
新しい発見や解釈に基づいて楽譜が改訂されたり、
作曲者の意図を更に正確に反映させたという売り文句の
新版が出たりするので
私も、できるだけ楽譜の情報には目を光らせています

…という心がけで、買って読み始めたものの
途中で放ったらかしにしてそのままになっていた
『知って得するエディション講座』という本を
昨日ようやく読み終えました。

知って得する講座

ムジカノーヴァ というピアノ指導者(&学習者)のための
月刊誌に連載されていた内容がベースになっているので
記譜に関するこまかい比較が多く
気楽に読み飛ばせる感じではありませんが
確かに、「知って得する」内容が満載の中身の濃い一冊でした

たとえば、今まで何度もレッスンしてきたリストの「愛の夢 第3番」
「へぇ~~~」と驚いたこんなこと。

この曲は、リスト自身が作った<愛>にまつわる歌曲がもとになっていて
それをピアノ曲として作り直したものだということは知っていましたが
日本の出版社から出ているピアノ譜は、たいてい
そのもととなった曲の歌詞が載せられていません。
しかし、リストはその歌詞がピアノ譜に掲載されることを望んでいたそうです。

「愛の夢」というタイトルと曲想からすると、
とても甘く、情熱的でロマンチックな詩を想像してしまいますが
実は「今のうちに恋人を愛してあげてください」
「君がお墓の前で嘆く時はやってくる 」 などなど
なんとも衝撃的な内容。
彼女の何気ない言葉に傷つき、
彼女のもとを離れるという悲しい詩なのです

これを知っているのと知らないのとで
演奏はどのように違ってくるの??と聞かれれば
それは演奏者の気持ちの問題で
聴いている人にはどちらもまったく同じに聴こえるかもしれません。

でも、絶対に違うのです! (言葉では説明できません…)

正直なところ、小さい時からピアノ専門で勉強している人は
意外にこのような「名曲集」に入っているような超ポピュラー曲は
レッスンを受けていなかったりするので・・・勉強不足でした。
深ーーーーーーーーーーーく反省した次第です

この本を読んで、
楽譜から作曲者の意図をどう読み取っていくか改めて考えさせられ
その奥の深さに気が遠くなってしまいました。
まさしく「生涯勉強」ですね

さて、この本でもっとも「知って得した」と思う情報をお裾分け
作曲者の自筆譜が閲覧できるサイトです。
        ↓
モーガン・ライブラリー(The Morgan Library)
ページ移動後、左のアルファベットをクリックすると作曲者の名前が出てきて
もう一度クリックすると曲名が出てきます。


楽譜に書かれていることは作曲者からのメッセージ

バッハやベートーヴェン、ショパン、ブラームス・・・
尊敬する偉大な作曲家の自筆譜を目にすると
ピシッと背筋を正してピアノに向かいたくなるのは
私だけでしょうか~

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